2012年6月22日金曜日

ロンドン2012フェスティバル ロビン君と公式ポスター展




『その本は、ムラカミリュウのものですか?ムラカミハルキの方ですか?』



『これ?ムラカミタカシ。アニメっぽい作品作るアーティスト、知ってる?その人が、本も書いたらしい。彼の作品が、日本人になんで無視されるかってことと、日本の芸術界の病気についてが、ここまで読んだところには書いてあります
。』



『村上って名字、多いよね。きみは、アートの人?』



『いや、スポーツの人。になりたくて勉強している人です。今日からオリンピックのポスター展示が、ここであるから見に来たの。この本は、たまたま友達の家から借りてきまして、、、』


という感じで、ロンドンのピムリコ駅近くにあるテートブリテンという美術館にて、
日本語ペラペラのドイツ人のロビン君と昨日知り合った、今日のブログ担当Tomoです。

ロビン君は、都内にある大学の博士課程で、近代思想史、ドイツ語に西田幾多郎を翻訳したりとか、石巻で屋台俳優とかをやっているらしいそうで、次から次に話が面白かったです。
今回の短いロンドン滞在は学会のためで、
1964年の東京オリンピックで変わりゆく都市の中を、フランス人監督が一人の日本人女性を追った『不思議なクミコ』という作品を発表するということでした。



急激な変化をどうようにその土地と人々は受け止めていくかという点では、このブログで
書いているテーマと似通っているので、トークは俄然盛り上がっちゃいます。



盛り上がった
勢いで、シャーロックホームズとかビートルズとかを例の自転車に乗りながら案内してきました。こんな風に。


人生、わからんものですね。





前置きが長くなりました。

というわけで、
6月21日からはじまっております、
「ロンドン2012フェスティバル」。このために僕は、テートブリテンにいたわけです。

このフェスティバルは、パラリンピックが閉幕する9月9日まで、ロンドンを中心に各地で音楽や演劇、ダンス、映画、ファッションなど様々なイベントが行われることになっています。

この大文化祭の目的の一つには、多くの若者に文化とアートに積極的に参加してもらうことが含まれており、その活動によって国民のクリエイティビティをさらに盛り上がていきましょうという試みでもあります。




ロンドン中の人が五輪チケットを持っているわけではないので、スタジアム
観戦よりも敷居が低い参加型のイベントが、どのように運営されているか非常に興味があります。


上の写真にあるガイドを見てみると、期間中にイベントは12000件以上も予定されており、そのうち無料で参加できるものもあるそうなので、実際に体験しながらこちらもレポートしてきます。






第1弾は、テートブ
リテン!にいってきました。



開催概要は、次のようになっています。

6月21日(木)〜9月21日(金) 10:00-18:00

(金曜日は22:00までオープン!)
住所:Millbank London SW1P 4RG
料金:無料 (特別展は有料)
内容:12人のイギリスを代表するアーティストによって制作された、ロンドンオリンピック・パラリンピックの公式ポスターが、さりげなく展示されております。






本物は、さりげなく。あくまで、さりげない展示でした。
そして専門ショップで販売されているポスターは、鮮やかでした。

下の写真の一枚目と二枚目がロンドン2012フェスティバルのオフィシャルガイドにも使用されています。
by Rachel Whiteread 

by Tracey Emin

by Michael Craig-Martin

by Howard Hodgkin

by Bob & Roberta Smith




中央の小さな絵、オフィーリア。

テートブリテンを訪れたジブリの宮崎駿監督は、この絵を見て
「なんだ彼らが全部やってたことを下手くそにやってんだって思ったわけよね。驚嘆すべき時間だったんだけど、ああおれたちのアニメーションは今までやってきた方向でこのまま行ってもやっぱりダメだって、よくわかったな、、、』というのをプロフェッショナルで見ました。だから、おすすめです。ではなくて、素直にいいもので美しかったです。




この日、一番印象に残ったのは、この壁のドローイング。既視感というか、どこかに引っかかりました。
家に帰ってから、
イタリア時代の友人nodakoさんのHPに飛び、インタビュー記事を読むと、彼女のメンター(師匠)David Tremelttの名を発見しました。

そしてこの壁に、実にかっこよかった。




無料のツアーも行っているようです。このツアーが始まる時間を待つために、ムラカミタカシを読んでていて、ロビン君につかまったのです。



 次回は、ロンドンオリンピック2012フェスティバル第2弾テートモダン、大英博物館。
または、ベネズネラ人指揮者グスターボ•ドゥダメルの演奏団の模様をお届けします!

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